最近、AIの学習機能をフルに使い画像を出力するアプリの普及がじわじわと普及してきている。「stable diffusion」や「midjourney」が特に話題に出てきているだろうか。
こいつらはキーワードを入力すると、それで検索してヒットする画像をうまいこと合成して画像を生成する。
例えば「angel」と入力すれば、基本的に羽の生えた人の画像ができる。
実際に使ってみたところ、キーワードで検索をかけると、どんな画像が出てくるかがミソな感じがした。
例えば「star」とだけ入力すると、夜空の星ではなく☆のマークで作られた画像が出力される。
これは検索をかけた時、一番出てくる画像が☆マークだからだろう。
逆に日本人の個人名とかなら、よほど有名な人じゃない限りなんかパッとしない人の画像ができる。
つまり、どんな国でも同じような検索結果を持つ強いキーワードを使うと、いい感じの画像が出力しやすいということだ。
また、キーワードに長さなどの制限はないため、いろいろな要素をふんだんに盛り込んだ画像も作ることができる。
これは「A fallen angel with dim black wings and ominous sword and dark magic circle appears in the great dark church of underworld 」薄黒い翼と禍々しい剣と闇の魔法陣を持った堕天使が冥界の大暗黒教会に現れる で出力した画像である。我ながらよくできていると思う。
ここでふと疑問に思った。
AIに拾われることのなかった画像についてだ。
AIによる画像生成は、条件を盛り込んで素晴らしい画像も作れるが、労力をかけることなくよくある画像を作れることが最大の長所であると自分は考えている。
例えば背景なんかがそうだろう。やたら書き込みをしなければならなかったり、場所や建物の情報をしっかり調べる必要があったりするので、その労力を無くせるのは大きいはずだ。
もしAIが今以上に普及して、画像が当たり前に生成され使われるようになったら、AIに拾われない画像はどうなっていくのだろうか?
本から電子媒体に変化していった時のことを考えるとわかりやすいかもしれない。
本というメディアが徐々に電子媒体に置き換わっていく中で、データ化されずに本のまま忘れられている文章、絵が絶対にあるはずだ。それと同じようなことが起こるような気がする。
また、今は画像生成が最も話題だが、他の分野でもAIが使われだす可能性もある。
有名な文豪の文章を学習してそれっぽい文の生成するのは既に実現されているし、このペースで技術が発展していけば音楽、動画の自動生成ができる日も近いかもしれない。
AIの利用に反対するわけではないが、AIによって必ず埋もれ消えていく「何か」のため、自分で何かを作ることや他人が作ったものを楽しむ気持ちを忘れずにいたい。