最近自分は西国三十三ヶ所を重点的に巡っている。
今回は奈良の興福寺に行ってきた。
西国三十三ヶ所巡りとは、観音菩薩を祀る関西の寺社巡りのことであり、日本でもっとも歴史がある巡礼と言われている。
観音菩薩は人々を救うときに色んな姿をとる仏で、浄土に連れていってくれるとかではなく現世の願いを叶えてくれる仏である。言い方は悪いが少し俗っぽいのでここまで信仰がさかんなのだと感じる。
この時三十三の姿になると言われているのが三十三ヶ所巡り由来である。
南円堂にその観音像が安置されている。
横にはタチバナの実がなっていた。苗字に使われているのはよく聞くが、実物は初めて見た気がする。
常緑樹で永遠を象徴し縁起がいいとされる。
ここの観音の姿は不空羂索観音(ふくうけんじゃくかんのん)といい、シカの毛皮をまとっているのが特徴である。
この姿はヒンドゥー教の神の影響を受けているらしく、日本や中国よりインドでよく見られる姿だという。
ここ興福寺は法相宗の大本山である。法相宗は慈恩大師が開いた、大陸が源流の宗派である。
あまりピンと来ないかもしれないが、この慈恩大師の師匠が玄奘三蔵、つまり西遊記のあの人である。
国宝館にもしっかり行ってきた。この写真では少し風情がないのは許してほしい。
博物館のような施設がある寺は珍しくないが、ここには国宝の巨大な仏像などが安置され、荘厳な雰囲気だった。
有名な阿修羅像を初めとする、八部衆の像もあった。
八部衆は仏教を守護する異形の神で、インド神話から持ち込まれたものが多いという。
この中で自分のお気に入りは迦楼羅(かるら)である。インド神話のガルーダが元になっており鳥の頭を持つ。
帰りにこんなガチャを見つけ、回したら迦楼羅像が当たってうれしかった。
やはり奈良はいい所である。久しぶりに鹿を見れたのもよかった。