雪は好きだ。景観だけ。
今回は雪の降る中長谷寺に行ってきた。
長谷寺は奈良県桜井市にある寺社で、西国三十三所の一つである。
見ての通りの長く過酷な登廊と微妙に駅から遠いことから、西国三十三所の難所に数えられることもある。
今回は雪が降っているときに訪れたので、白の中に寒牡丹がよく映えていた。
この寺は初瀬(はせ)山の中腹にあり、季節ごとの花が美しいので「花の御寺」と呼ばれている。
山にある寺はたいてい長い道を登って本堂まで行くのだが、登りきった瞬間はいつでも気持ちがいい。
上からの景色もだいたい良いのも山の寺の好きな点だ。
本堂の一部である礼堂は、磨かれた床が光を反射して季節ごとに違った光景を見せてくれる。
今回は積もった雪の色が反射した光が美しかった。
雪が積もると絶景になるのだが、昼頃になると溶けだしてしまうのが悩み物だ。
今回も早朝から見に行っているし、やはり一眼レフを持ってきて写真を撮っている人も結構いる。考えることは同じである。
一通り長谷寺を見たあと、西国三十三ヶ所の番外である法起院にも行ってきた。
徳道というお坊さんを祀っていて、この人は西国三十三ヶ所巡礼を始めた人物らしい。レジェンドである。
西国巡礼の御砂踏みができる場所があった。
これはそれぞれの寺の砂を納め、それを踏むことで参ったのと同じご利益を得るというものである。なんと便利な。
はがきの語源となった葉書きの木というものもあった。葉の裏面から文字を書くと表に浮かび上がるらしい。
願い事を書くと叶うらしいが、手の届く葉はびっしりと願い事が書かれていたので頑張って上の方の葉に書いた。
四季によって景色ががらりと変わったり、時期が経つ度に全く違う表情を見せる山の寺はやはりお気に入りである。
雪景色が見れて幸運だった。